​婦人科系の代表的疾患

鍼灸治療では、さまざまな女性特有の症状を治療することができます。

⒈月経異常

​(1)月経異常とは?

月経異常は大きく分けて4つあります。

①初経や閉経の時期が異常:思春期初発症、早発閉経など

②月経周期の異常    :頻発月経、稀発月経、無月経など

③月経量の異常     :過多月経、過少月経など

④随伴症状の異常    :月経困難症など

​(2)症状

月経の周期、頻度、量の異常があります。

月経困難症では下腹部痛や腰痛を併発することがあります。

(3)病院での治療

症状に応じてホルモン療法を行います。

(4)鍼灸での治療

月経異常などの婦人科疾患の東洋医学的な原因は基本的に肝の機能異常です。肝は血をコントロールしており、肝の機能に異常があると血の流れが悪くなったり血の量が減ったりして、女性の様々な問題を引き起こします。また、肝は精神(怒)、目、筋肉などと密接な関連があり、肝の働きが悪くなるとイライラし、目が疲れたり充血し、肩こりなどの筋肉のこわばりを発症します。肝の異常を改善してあげることによって月経異常、また月経異常と一緒に発症している症状を改善することができます。

 
2.更年期障害

(1)更年期障害とは?

更年期(生殖時期から生殖不能期への移行期)に現れる不定愁訴症候群のことを指します。

原因は自律神経の乱れや心因性、性腺機能の変化(ホルモンバランスの乱れ)がもたらす神経活動の変化による神経性代謝の変化などが挙げられます。

​(2)症状

主に、のぼせ、ほてり、発汗、冷え性、頭痛、めまい、耳鳴り、不眠、痺れ、肩こり、腰痛、頻尿、疲労感、欲不振など多岐に渡ります。

(3)病院での治療

主にホルモン療法(エストロゲン、少量のアンドロゲンなど)、自律神経薬、向精神薬などが処方されます。

​(4)鍼灸での治療

病院での治療(西洋医学的治療)の場合は、ホルモンバランスの異常によって更年期症状が発症するという理由で治療が行われますが、東洋医学的な治療(鍼灸、漢方など)の場合はひとそれぞれの証(東洋医学的診断名)に合わせて治療を行います。人間の体は人それぞれ違うため、症状は同じでも証は違うことはよくあります。更年期症状の場合は特に気血の流れ、そして肝・脾・腎などの機能異常が関係していることが多く見られます。気血の流れや量の異常、五臓六腑の異常を治療してあげることで症状は改善されていきます。

 

​3.子宮筋腫

​(1)子宮筋腫とは?

子宮筋腫とは、子宮の平滑筋層内にできる良性の腫瘍です。成人女性の約30%の方にできると言われています。詳しい原因は未だによく分かっていませんが、女性ホルモンが影響しているのではないかと言われています。

​(2)症状

症状は主に月経量が多い、月経痛がひどい、腰痛、頻尿(トイレが近い)などがあります。  

​(3)病院での治療

治療は基本的に薬物療法と手術療法があります。年齢や腫瘍の大きさなどによって治療方法は選択されます。薬物療法では女性ホルモンをコントロールするピル(経口避妊薬)や偽閉経療法があります。手術療法では、子宮全摘出術と筋腫のみを除去する筋腫核出術などがあります。

​(4)鍼灸での治療

 

婦人科疾患は東洋医学的には基本的に肝の異常によるものが多く見られます。肝は血をコントロールしています。筋腫になると貧血が起き、イライラ、動悸、息切れ、立ちくらみ、のぼせ、手足の冷え、下痢などが症状として現れます。子宮筋腫の場合基本的には病院での治療で、場合によっては手術療法も考慮しなければなりませんが、鍼灸治療によって様々な症状を軽減することは可能です。

4.産前・産後の鍼灸治療

産前

産前の鍼灸治療はいわゆる不妊治療です。不妊の主な東洋医学的原因は肝の異常です。肝は血をコントロールしており、肝の機能に異常があると血が不足したり、固まって流れが悪くなり、妊娠しにくい体となっています。また、妊娠しても流産しやすく、産後も体調不良が続きやすくなります。肝の異常を鍼灸治療によって治してあげることで病院での不妊治療の効果も出やすくなります。

また、妊娠初期(1ヶ月)は刺激の強い鍼灸治療は禁止とされて古典には書かれていますが、安定期に入り妊娠中から鍼灸治療を受けることは安産や逆子、出産後のお身体にとってとてもいいです。

妊娠中はお薬をあまり飲めないため、風邪をひいたりすると鍼灸治療に来る患者さんも多くおられます。

産後

産後の鍼灸治療は乳汁不足、乳腺炎予防、体調管理などの治療を目的として治療を行います。

産後は体力が低下しているため、感染症にかかりやすくなっています。(産褥熱)

鍼灸治療によって免疫力を上げ、子育てしやすいお身体作りをしましょう。

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